『嫌われる勇気』を経営者が愛読する理由

雑誌「プレジデント」(2018年10月15日号)では特集「ビジネス本総選挙」にて、仕事に役立つ100冊を選出した。このうちベスト10冊を順位ごとに紹介する。今回は第5位の『嫌われる勇気』。解説者はユーグレナの出雲 充CEO――。■何のために働くか、幸せとは何か

今回のビジネス書ランキングで『嫌われる勇気』が第5位にランクインしたと伺って、嬉しいと同時に「1位を獲ってほしかった」と悔しく感じてもいます。なぜなら同書は、2011年3月に発生した東日本大震災以来、私が一番多く読み返している本であり、私の経営者としての考え方を変え、人生を支えてくれた本だからです。もはや私の「座右の書」といっても過言ではありません。実は、「アドラー心理学」が日本で注目されていた14年、プレジデント社から書評の依頼を受けて、初めて読んだアドラー関連本のうちの一冊でした。

同書を読んだとき、私の中に衝撃が走りました。長年探し求めていたものの、頭の中ではっきりとは形にならなかった考え方が、同書の中で明確に示されていたからです。その1つが、本のタイトルの通り、「嫌われる勇気を持つこと」でした。アドラーは、「自由を獲得したいなら、他人の意見に左右されてはならない。たとえ他人に嫌われようとも、勇気を持って自分の生き方や信念を貫け」というような意味のことを述べています。

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