楽しい読書 無理に勧めても無理

 小学生だった頃、父が定期購読してくれた世界名作文学全集が毎月家に届いた。本の分厚さと2段組の活字が私にはどうしてもだめだった。実際に読んだ作品は数少ない。それと、学校の夏休み課題本100冊リストから選ぶ感想文も。義務になってしまう読書は私にはどうも肌が合わないらしい。でも、本が嫌いだったわけではない。中学生になると誰に言われるまでもなく、小説もマンガも詩も歴史やルポタージュ物も手当たり次第に読むようになった。特に試験期間が近づいてくるとその傾向は顕著になった。現状から逃げ出したいエネルギーは誰にも負けない。

 先日、市内の小学校PTAの総会に招かれ、講演する機会があった。テーマは、私の楽しい読書術。「ペナック先生の愉快な読書法」という本をみなさんはご存じだろうか。副題に読者の権利10カ条とある。「フランスの図書館の壁には子どものための10カ条が貼ってあるんだけどお父さん、知ってる?」と北欧にいる娘が聞いてきた。もちろん知らない。でも、調べてみたらすごい。1カ条、読まない権利。2カ条…>> 続きを読む..

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