(社説)大学生と読書 又吉さんに背中押され

 一日にまったく本(電子書籍を含む)を読まないと答えた大学生が53・1%――。

全国大学生協連合会が先頃、そんな調査結果を発表した。長らく30%台で推移していたが、4年前に40%を超え、その後も毎年増えているという。

いまどきの学生は、と眉をひそめる人も少なくないだろう。しかし本離れは若者に限った話ではない。少し前の文化庁の調査でも、「無読層」はすべての世代で増加傾向にある。

ネットの普及や書店の減少で、本に接する機会は確実に減っている。背伸びしてでも知識を得ようとする教養主義は、過去のものとなって久しい。

学生は就職活動でアピールできる即戦力の技能を磨くことに追われる。読書を「割に合わない」と考えても不思議はない。そして肝心の本にしても、出版界の苦境を反映してか、粗製乱造ぶりが目につく。..>> 続きを読む..

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