3600万部漫画『キングダム』が「ビジネス書」に生まれ変わった理由

「今、一番売れてる、ビジネス書。」

10月29日、東京・山手線の新宿駅、渋谷駅、東京駅、池袋駅、新橋駅の5駅に、突如出現した巨大広告が話題を呼んでいる。

ビジネス書といっても、ドラッカーの『マネジメント』でも、松下幸之助の『道をひらく』でも、堀江貴文氏の『多動力』の宣伝でもない。中国の春秋戦国時代を舞台にした漫画『キングダム』(原泰久・作)の宣伝広告だ。

06年に週刊ヤングジャンプ誌上で連載開始、最新刊52巻までの累計発行部数は3600万部……と、『キングダム』がいま、最も勢いのある漫画の一つであることは間違いない。とはいえ「売れている漫画」ではなく「一番売れているビジネス書」というコピーで宣伝されているのはなぜなのか。

その裏側を探った。

何度も読み返した夜

「累計3600万部を売り上げている『キングダム』が、日本の漫画史に残る作品であることは疑いようがありません。今後も、ファンから根強く支持される作品であり続けるでしょう。

ただ、連載開始から10年以上が経ったいま、日本にいる漫画ファンのほとんどが、すでにこの作品を読んでしまったんじゃないだろうか……という“疑念”もありました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です