出版不況が続く中で、いわゆる自己啓発本が健闘しています。古くからあるジャンルですが、今、手に取る人が増えているのはなぜでしょうか。
出版科学研究所(東京・新宿)は自己啓発本を「個人の生き方や方向性を明確に示す指南書」と定義し、推移を調べています。例えば小説や伝記を読んで生き方の参考になれば自己啓発の役割を果たしているともいえますが、自己啓発本には含めず、宗教書も除いています。
同研究所の調査では、単行本の年間売り上げベスト30のうち、1990年代前半は自己啓発本が1~4冊でしたが、90年代後半から徐々に増え始め、2000年代は10冊前後に。16年は10冊、17年は8冊でした。
ロングセラーの「嫌われる勇気」(ダイヤモンド社)と「幸せになる勇気」(同)は16、17年ともに上位に入り、「漫画 君たちはどう生きるか」(マガジンハウス)、「こころの匙加減」(飛鳥新社)などが17年に新たに顔を出しました。ビジネス書と自己啓発本の垣根がなくなりつつある点が最近の特徴の一つです。
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